ブラジルの失業者数が1,200万人にのぼる一方、3月に記録された自主退職者数が過去最高を記録しました。解雇総数1,816,882件のうち、全体の33.2%が労働者の希望による退職でした。

LCAコンサルティングが全国の求人数を集計するCagedのデータをもとに行った調査により明らかになりました。3月の自主退職者数は前年同期比38%増となり、Cagedによる集計が開始された2020年1月以降、月単位で過去最高を記録しました。

調査を担当したブルーノ・イマイズミ氏によると、自主退職者数の増加は労働市場の正常化への継続的な動きを反映しています。パンデミック当初、雇用が緊迫したため多くの人が自分の専門とは無関係な仕事につかざるを得ませんでした。雇用市場が回復してきた今、自分の資格に見合った仕事に転職する人が増えていると言います。

業種別に見ると、最も多かったのは「宿泊・飲食」業界でした。次いで、「経営管理および補足的業務」、「情報・通信」、「科学・技術を含む専門職」の順で自主退職者数の割合が高くなっています。4位の専門職分野では、優秀な技術者やITなど需要が急増している業界からの退職希望が中心となっています。

イマイズミ氏によると、宿泊・飲食部門が1位になった理由として、コロナ禍で大打撃を受けた業界の回復に伴い、他社からより良い条件を提示されて退職していく労働者が増えているといいます。

続く3つの分野は、リモートワークが可能で、より技術的な仕事に就く労働者が多い業界です。LinkedInが行った調査によると、回答者の49%が、よりよい給与とワーク・ライフ・バランスを求めて2022年に転職を考えているとの結果がでています。コロナ禍の経験から、給与アップだけでなく、リモートワークやハイブリッド型勤務などより柔軟な労働条件を求めて自主退社する人が増えていると考えられます。


参考記事:

https://g1.globo.com/trabalho-e-carreira/noticia/2022/05/08/pedidos-de-demissao-batem-recorde-em-marco-e-sao-1-de-cada-3-desligamentos-mostra-levantamento.ghtml

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